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2025年3月6日

🌱子育てに「おいしい」をプラスしよう


“子育て”と“お料理”は、切っても切れない関係。

子どもが生まれてから 一人立ちするまでのあいだ、子どもの成長段階に応じて子育ての内容は変わっていくものだけど、「子どもに食べさせる」ということだけは一貫して続くこと。

そこに“おいしい”や“楽しい”があるかどうかは、子どもの成長や親子関係にとって、とても重要なことだと思う。


いつもオシャベリが楽しく、“シェフ”ではなく“シュフ”だという平野レミさんのレシピ付きエッセイ集。

お料理が好きではない私でも、お料理の楽しさがわかるかもしれない気がして、楽しくお料理できちゃう人の子育てってどんな感じなんだろうと興味もあって。

本屋さんに並んでいるのを見かけて読んでみたくなった本。


○ 一緒に食卓を囲むと仲良しになれること

○ キッチンが元気であること

○ お料理を通じてできる子どもとの信頼関係のこと など


オリジナルレシピ付きで、子育てにおけるお料理の大切さや楽しくなるヒントがたくさんつまっていた。


子どもの頃の思い出のなかに“おいしい思い出” がある人って、多いと思う。

例えばお母さんが作ってくれるおにぎり。

自分で自分のために握るおにぎりと、お母さんが我が子のために握るおにぎりとでは、何かが違う。

私もそういうお料理を息子に食べさせたい。毎日の食事作りを続けられる原動力みたいなもの。

子育ては「おいしいバトンパス」でつながっていくんだと、この本を読んであらためて感じた。


毎日のごはん作りがめんどうになったら、手に取ってみてほしい。

“めんどう”が“おいしい”に変わるかも。


本の情報

『おいしい子育て』

平野レミ/著 和田誠/絵 2022年 ポプラ社 175p 19cm エッセイ集 一般書




2024年11月4日

🌱『急行「北極号」』大人に贈りたいクリスマスの絵本

大人になって出会った絵本の中で、これほど即買いだった絵本は他にない。


汽車の絵本?いえ、クリスマスの絵本です!

表紙には、雪の夜にたたずむ重厚感のある汽車の絵が、落ち着いた色調で描かれている。タイトルは『急行「北極号」』。この表紙とタイトルを一見すると、クリスマスの絵本とは思えないかもしれない。それが実は、大人にこそオススメしたい、不思議で神秘的な魅力のあるクリスマス絵本なのだ。


あらすじ

クリスマス・イブの夜、僕は息をひそめてサンタのそりの鈴の音が聞こえてくるのを待っていた。ところが、聞こえてきたのは鈴の音ではなく、汽車の音だった。窓の外を見ると、なんと家の前に汽車が止まっている。僕は忍び足で家の外へ出て、汽車に駆け寄った。車掌に聞くと、北極点へ行くのだという。

汽車に乗り込むと、客車の中は楽しそうに過ごすパジャマ姿の子どもたちでいっぱだった。汽車は暗い森を抜け、山や谷を越え、いつのまにか北極点へ。

サンタや、サンタのお手伝いをするたくさんの小人たちが暮らす北極点は、とても大きな町で、クリスマスのおもちゃが全部作られているという工場がいっぱいある。

クリスマス・イブのその夜は、北極号でやってきた子どもたちの中から、サンタのプレゼント第1号をもらう子どもが選ばれるという。サンタは僕を指さして「この子に決めるとしよう」と言うと、僕をそりに乗せてくれた。でも、僕がいちばんほしいものは、サンタの大きな袋の中には入っていない。

物語のクライマックスはここから。ぜひ手にとって読んでみてほしい。


美しい絵画のような絵本

この絵本の作者は、「光の魔術師」といわれるオールズバーグ。

夜の暗闇をそっと照らし出す汽車のライト。降り積もる雪の明るさ。狼がうろつく森の静けさ。汽車の中で過ごす子どもたちの楽しそうな様子。町のあたたかみ。サンタのおだやかでやさしい顔。主人公「僕」の気持ち。物語の最終ページで神秘的な存在感を放つ鈴。

物語の要がすべて、「光」の具合で見事に表現されている。

全ページ見開きいっぱいに描かれた絵は、どれも美しく、キラキラとした賑やかな明るさはないが、落ち着いたあたたあいクリスマスを感じることができる。


大人にオススメの絵本

文章量は多めで、漢字が多く、ルビはない。村上春樹による日本語訳の文章は、大人を意識して書かれているように思う。

作者がこの絵本に込めたであろう思いや、読者に伝えたいであろうメッセージも、「かつて子どもだった大人たち」に向けたものではないだろうか。子どもの頃の自分、そして子どもの頃の気持ち。きっと読む人それぞれに、大切な何かをよみがえらせてくれる絵本であると思う。

クリスマスは、大人だって楽しみなもの。かつて子どもだった人たちに、ぜひ届けたいクリスマスの絵本。


本の情報

『急行「北極号」』

クリス・ヴァン・オールズバーグ/著 村上春樹/訳 2003年 あすなろ書房 32p 23cm 大人向け アメリカの絵本 コルでコット賞受賞作品 1987年に河出書房新社から出版されたものの改訳版

コルでコット賞:アメリカで出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して1年に1度贈られる賞。1937年にアメリカの図書館協会によって創設。19世紀イギリスの絵本画家ランドルフ・J・コルでコットの名にちなんでいる。