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2025年6月15日

🌱雨の季節に読みたい絵本『おじさんのかさ』

雨の絵本といえば思い浮かぶのは、佐野洋子の名作絵本『おじさんのかさ』。

雨の絵本の中で1番好きかもしれない。

なのに私の本棚には持ち合わせてなくて。

だから写真は我が家のおじさん(夫)のかさ。


雨が降ってもささないかさ?!

主人公のおじさんは、出かけるときはいつもかさと一緒。

でも、雨が降っても決してかさをささない。

なぜかって、かさが濡れてしまうから。

それほど大切にしているおじさんのかさ。

ある雨の日、男の子がかさに入れてほしいと言うけれど、おじさんは聞こえないふり。

男の子は友だちのかさに入れてもらって歌いながら帰っていく。

あめが ふったら ポンポロロン

あめが ふったら ピッチャンチャン


雨の中、ふと気づかされること

まねして口ずさんでいるうちに、おじさんは大切なことに気がついた。

大人になっても、子どもから気づかされる大切なことってたくさんある。

雨の多い季節、ぜひ手にとって読んでみてほしい絵本。


本の情報

『おじさんのかさ』

佐野洋子/作・絵 1992年 講談社 21p 31cm




2024年9月23日

🌱刻一刻と変化する空が美しい『空の絵本』

風うごく 雲ながれる 光みちる 空ひろがる……

詩人・長田弘が生みだした美しいことばの粒。かけがえのない一日一日の鮮やかさ。

絵本作家・荒井良二がかみしめ、味わって、一枚一枚の絵に描ききった珠玉の一冊。

(講談社BOOK倶楽部『空の絵本』内容紹介より)


あらすじ

雨が降り始めました。雨はだんだん強くなり、たたきつけるほど強くなります。

そして、いつしか雨は遠くなり、静かになって。

空はだんだん明るくなって。

やがて夕方になり、夜になり、美しい星空が広がります。

またたく星たちは、物語をつむぎだします。


おすすめポイント

心地よい詩のリズムと音が、表情ゆたかな空の絵に溶け込むような作品。読めば空を見上げたくなり、空を見上げれば読みたくなる。


晴れわたる空、雨が降る空、夕焼けの空、おもしろい形の雲がうかぶ空、夜の星空…。子どもの頃、いろんな空を見つけては、心を動かされていた。いつしか大人になって、子どもの頃ほど空に発見がなくなり、子どもの頃ほど空に心を動かさなくなってしまった。子どもの頃に置いてきた気持ちを思い起こさせてくれる。


いつでも、どこにいても、私たちの真上に当たり前のように広がっている空。朝が来て、夜が来て、また朝が来る。その普遍的な時の流れは、毎日同じことの連続のようだけど。夜明け、遅めの朝、正午、昼下がり、夕暮れ、夜…。時間によって移り変わる空の様子は、刻一刻と変化し、一時たりとも同じ空はない。毎日は当たり前の連続ではなく、かけがえのない1日1日の積み重ねなんだということを、あらためて感じさせられる。


1人のときも、だれかと一緒のときも、今日も明日も、空を見上げたくなる絵本。


雨の日もあれば必ず晴れの日もある、人生とも似ている。読む人によって、そのときの状況によって、いろいろに捉えられる絵本でもある。手元に置いて、ときどき読み返したい1冊。


大人へのプレゼントや、子どもの寝かしつけ時に読むのにもオススメ。


本の情報

『空の絵本』

長田弘/作 荒井良二/絵 2011年 講談社 36p 24cm 読んでもらうなら5歳頃~ 自分で読むなら小学校低学年頃~


あわせて読みたい 長田弘+荒井良二 3部作





🌱『つきのぼうや』お月さまを見上げたくなる絵本

縦長サイズが効果的

縦35cm✕横13cm。

縦長で細長いのっぽな絵本。

きれいな水色の表紙に、やさしい笑顔でぽっかりと空にうかぶお月さま。

まずはこの見た目だけで手にとってみたくなる絵本。

この縦長のカタチこそ、お月様から見た地上までの距離を、とても効果的に表現しているんです。


あらすじ

空にうかぶお月さまは、ある日、地上の池にもうひとりのお月さまがいることに気がつきます。

その月とお友だちになりたいと思ったお月さまは、その月をつれにくるよう、月のぼうやにお願いしました。

月のぼうやはカゴをさげて、ふわりふわりと地上へおりていきます。

途中、うっかり星をけとばしたり、飛行機に遭遇したり...

月のぼうやが地上の池で見つけたのは、とてもかわいらしいお月さまでした。

さて。月のぼうやは、空のお月さまのもとへ、どんなお月さまをつれて帰るのでしょうか。

結末は、ぜひ絵本を読んでたしかめてみてください!


おすすめポイント

ちょっぴりコミカルで気持ちがほっこりとあたたまる結末は、自分自身の魅力に気づかせてくれるような、自分を肯定する気持ちをそっと教えてくれるような、深いものとなっています。

夜が長くなる季節でもあり、夜空がきれいな季節でもある、秋から冬。そんな季節の夜に、ぜひ読んでほしい。

空にうかぶお月さまを見上げると、やさしくにっこりほほえみかけてくれる気がします。


本の情報

『つきのぼうや』

イブ・スパング・オルセン/作・絵 やまのうちきよこ/訳 1975年 福音館書店 24p 34cm デンマークの絵本 読んであげるなら3、4歳頃から 自分で読むなら小学校低学年頃から




2024年9月22日

🌱『たくさんのお月さま』大人も楽しめる月のおはなし


あらすじ

海辺の王国に住む小さなおひめさまレノアひめは、木いちごのタルトを食べすぎて、病気になってしまいました。

心配する王さまに、レノアひめは「お月さまをもらったら、きっとげんきになるとおもうの」といいます。

王さまはかしこい家来たちに月を手に入れるよう命じますが、どんなかしこい大人たちにも、月をとってくることはできません。

そんななか、大人たちの常識や心配をさらりとくつがえし、解決策を知っていたのはレノアひめ。

さて。レノアひめは、いったいどんなお月さまをもらったのでしょう。


おすすめポイント

小さなおひめさまは、ちょっぴりわがままだけど、たくさん食べるとおなかが痛くなってしまう、ごくふつうの女の子。

レノアひめの病気を治すためならと翻弄する王さまも、どこにでもいるお父さんなのかもしれません。

大人の常識にとらわれず子どもの話に耳をかたむけられているだろうかと、自問自答し考えさせられるお話です。

タイトルの「たくさんの」は、お月さまが「いっぱいある」という意味ではなく、お月さまひとつをとっても「たくさんの考え方がある」という意味なんだろうと思います。

哲学っぽさをユーモアで包みこんで読ませてくれる物語は、大人にもおすすめの1冊です。


絵本から幼年向け読み物へ

もともとは絵本として出版されていましたが、現在は挿し絵がたっぷりの幼年向け読み物として出版されています。

少し長いおはなしが聞けるようになった、絵本から読み物へと移行する時期の子どもたちにおすすめです。

絶版になった絵本をご覧になりたい方は、ぜひ図書館で探してみてください。


本の情報


『たくさんのお月さま』

ジェームズ・サーバー/作 ルイス・スロボドキン/絵 なかがわちひろ/訳 2019年 徳間書店 72p 21cm アメリカのおはなし 自分で読むなら小学校低学年頃から 読んでもらうなら4、5歳頃から コルデコット賞受賞作品

コルデコット賞:アメリカで出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して1年に1度贈られる賞。1937年にアメリカ図書館協会によって創設。19世紀イギリスの絵本画家ランドルフ・J・コルデコット賞の名にちなんでいる。