2025年7月21日

🌱読書の夏におすすめ『十五少年漂流記』『ツバメ号とアマゾン号』


「読書の秋」とは言うけれど...

秋と言えば、「食欲の秋」「行楽の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」...

読書の他にも、秋はやりたいことがたくさん。

意外にも秋は本があまり売れない季節らしい。

そう、実は夏こそ読書にぴったりの季節!


夏こそ読書のわけ

子ども時代や学生時代には、なんといっても夏休みという時間がある。若い頃の読書は、その後の人生の糧となるもの。

大人になって夏休みという時間はなくなっても、やっぱり夏は読書欲に駆られる季節。猛暑が続く夏は、休日にインドアで過ごす時間が多く、本を手に取りやすい季節でもある。

本屋さんに行くと夏の文庫フェアとかやってて、古典的なものから最近のベストセラーまでズラリと並んでいて、見ているだけでワクワクする。文庫本なら夏旅行にも手軽に持ち歩けて、移動中のおともになる。


夏に読みたいオススメの冒険物語

子どもの頃も大人になった今も、不思議と夏はちょっぴり冒険したい気分になる。それは本の世界でも同じ。 夏におすすめの冒険物語を2冊とりあげてみたい。


『十五少年漂流記』

ジュール・ヴェルヌの代表作。15人の少年少女たちが乗った船が漂流し、たどり着いた無人島で、時に対立しながらも工夫して生活し、帰還するまでの物語。

(ジュール=ベルヌ/作 那須辰造/訳 金 斗鉱/絵 1990年 講談社 青い鳥文庫 330p 18cm 高学年向け)


『ツバメ号とアマゾン号』

探検への夢が実現し、子どもたちだけでツバメ号に乗って無人島へ! そこでの心踊る冒険の数々!これから夏が始まるというワクワク感とともに読みたくなる名作。

(アーサー・ランサム/作 神宮輝夫/訳 2010年 岩波書店 岩波少年文庫 340p 18cm 高学年向け)





2025年7月6日

🌱荒井良二のおすすめ絵本『はっぴぃさん』


本文より


はっぴぃさんは

こまったことや ねがいごとを きいてくれるのです

やまの うえの おなおきな いしの うえに

はっぴぃさんは ときどき くるのだそうです


(中略)


はっぴぃさん はっぴぃさん

どうぞ ねがいを きいてください!

はっぴぃさん!



ねがいごとっていいな


ぼくは何でものろのろしちゃう。

どうしたらのろのろしなくなるの?


わたしは何でもあわてちゃう。

どうしたらあわてなくなるの?


きっとのろのしちゃうのは、

いつもていねいだから。


きっとあわてちゃうのは

いつも一生懸命だから。


小さな願い事から大きな願い事まで。

願い事を持つことは、自分を見つめることにつながるのかも。

そして、誰かと認め合うことにも。


きっとはっぴぃさんは、みんな自分の心の中にいる。


本の情報

『はっぴぃさん』

荒井良二 2003年 偕成社 32p 23cm 絵本

読んでもらうなら4歳頃から 自分で読むなら小学校低学年頃から




2025年6月15日

🌱雨の季節に読みたい絵本『おじさんのかさ』

雨の絵本といえば思い浮かぶのは、佐野洋子の名作絵本『おじさんのかさ』

雨の絵本の中で1番好きかもしれない。

なのに私の本棚には持ち合わせてなくて。

だから写真は我が家のおじさん(夫)のかさ。


雨が降ってもささないかさ?!

主人公のおじさんは、出かけるときはいつもかさと一緒。

でも、雨が降っても決してかさをささない。

なぜかって、かさが濡れてしまうから。

それほど大切にしているおじさんのかさ。

ある雨の日、男の子がかさに入れてほしいと言うけれど、おじさんは聞こえないふり。

男の子は友だちのかさに入れてもらって歌いながら帰っていく。

あめが ふったら ポンポロロン

あめが ふったら ピッチャンチャン


雨の中、ふと気づかされること

まねして口ずさんでいるうちに、おじさんは大切なことに気がついた。

大人になっても、子どもから気づかされる大切なことってたくさんある。

雨の多い季節、ぜひ手にとって読んでみてほしい絵本。


本の情報

『おじさんのかさ』

佐野洋子/作・絵 1992年 講談社 21p 31cm




2025年3月6日

🌱子育てに「おいしい」をプラスしよう


“子育て”と“お料理”は、切っても切れない関係。

子どもが生まれてから 一人立ちするまでのあいだ、子どもの成長段階に応じて子育ての内容は変わっていくものだけど、「子どもに食べさせる」ということだけは一貫して続くこと。

そこに“おいしい”や“楽しい”があるかどうかは、子どもの成長や親子関係にとって、とても重要なことだと思う。


いつもオシャベリが楽しく、“シェフ”ではなく“シュフ”だという平野レミさんのレシピ付きエッセイ集。

お料理が好きではない私でも、お料理の楽しさがわかるかもしれない気がして、楽しくお料理できちゃう人の子育てってどんな感じなんだろうと興味もあって。

本屋さんに並んでいるのを見かけて読んでみたくなった本。


○ 一緒に食卓を囲むと仲良しになれること

○ キッチンが元気であること

○ お料理を通じてできる子どもとの信頼関係のこと など


オリジナルレシピ付きで、子育てにおけるお料理の大切さや楽しくなるヒントがたくさんつまっていた。


子どもの頃の思い出のなかに“おいしい思い出” がある人って、多いと思う。

例えばお母さんが作ってくれるおにぎり。

自分で自分のために握るおにぎりと、お母さんが我が子のために握るおにぎりとでは、何かが違う。

私もそういうお料理を息子に食べさせたい。毎日の食事作りを続けられる原動力みたいなもの。

子育ては「おいしいバトンパス」でつながっていくんだと、この本を読んであらためて感じた。


毎日のごはん作りがめんどうになったら、手に取ってみてほしい。

“めんどう”が“おいしい”に変わるかも。


本の情報

『おいしい子育て』

平野レミ/著 和田誠/絵 2022年 ポプラ社 175p 19cm エッセイ集 一般書




2025年2月23日

🌱おうちにトラがやってきた!『おちゃのじかんにきたとら』

 


あらすじ

ソフィーとお母さんがお茶の時間にしようとしていると、玄関のベルが鳴りました。

やって来たのは、なんと、とら!

「ごめんください。ぼくとてもおなかがすいているんです。おちゃのじかんにごいっしょさせていただけませんか。」と、礼儀正しく。

ソフィーとお母さんはとらを迎え入れ、お茶の時間がはじまりました。

大きなとらは、それはもう食べるは食べる!


おすすめポイント

ありふれた日常の中におとずれた非日常を、あたたかく迎え入れる物語。

コロナ禍以降、自宅に来客を迎え入れてお茶することもむずかしくなった時期もあったけど。

うちにもとらが来るといいな!


本の情報

『おちゃのじかんにきたとら』

ジュディス・カー/作・絵 晴海耕平/訳

1994年 童話館 32p 26cm イギリスの絵本

自分で読むなら小学校低学年頃から 読んでもらうなら3歳頃から




2025年2月2日

🌱ねこ!ねこ!ねこ!ねこの絵本!


🎵ねこはこたつでまるくなる🎵

そんな寒い季節、2月22日はにゃんにゃんにゃんで「ねこの日」。

おうちであたたまりながら読みたい、ねこの絵本です。


あらすじ


とてもとしとったおじいさんと、とてもとしとったおばあさん。

2人は花に囲まれたこぢんまりした家でさびしく暮らしていました。

ある日おばあさんが「ねこが一ぴきいたらねえ」というと、

「ねこを一ぴきとってきてやろうよ」とおじいさん。

おじいさんは丘をこえて谷をとおって、ねこでいっぱいの丘にでました。


そこにもねこ、あそこにもねこ、

どこにも、かしこにも、ねことこねこ、

ひゃっぴきのねこ、

せんびきのねこ、

ひゃくまんびき、一おく一ちょうひきのねこ。

< 本文より >


おじいさんはこの中からねこを1ぴき選ぼうとしますが、選びきれず、みんなつれて帰ることにしました。

おじいさんとねこの大行列です。

うちに帰るとおじいさんとおばあさんは、どのねこをうちにおくか、ねこたちに決めさせることにしました。

繰り返しの言葉が耳に心地よく、100まんびきのねこたちの描写がたのしい、ねこ好きな人にもそうでない人にもオススメしたい、ねこの絵本です。


本の情報

『100まんびきのねこ』

ワンダ・ガアグ/ぶん・え いしいももこ/やく 1961年 福音館書店 31p 20cm アメリカの絵本

読んであげるなら3歳頃から 自分で読むなら小学校低学年頃から