2024年11月19日

🌱『しんせつなともだち』寒い冬に心温まる絵本


寒い季節におすすめしたい、温かい気持ちを運んでくれる絵本。


あらすじ

雪がたくさん降って、あたりは真っ白。

食べるものが少ない冬。おなかをすかせたこうさぎが食べるものをさがしに出かけると、かぶを2つ見つけました。こうさぎは1つだけ食べて、もう1つは、ろばさんのところへ。ろばさんは留守だったので、家に置いて帰りました。

帰ってきたろばさんは、かぶにびっくり。 ろばさんはちょうど食べるものを見つけたばかりだったので、かぶをやぎさんのところへ届けることにしました。

思いやりの気持ちをのせたかぶが、動物たちのもとをめぐります。結末はぜひ読んでみてくださいね。

寒い日に「ともだちを思う気持ち」の連鎖が楽しい、心温まる絵本です。


おすすめポイント

子どもたちは、繰り返しのお話が大好き。単に「楽しいお話」として聞いているかもしれませんが、思いやりの気持ちは連鎖するもの。きっと伝わるものはあるはずです。

寒い冬、親子で読むのにおすすめの、あったかい気持ちになれる絵本です。この冬、ぜひ親子読書で楽しんでみてくださいね。


本の情報

『しんせつなともだち』

ファン・イーチュン/作 君島久子/訳 村山知義/画 1987年 福音館書店 28p 20cm 自分で読むなら小学校低学年頃から 読んでもらうなら2、3歳頃から




2024年11月4日

🌱ディック・ブルーナの絵本『クリスマスってなあに』

ブルーナらしいシンプルな絵と言葉で、クリスマスのはじまりの物語を小さい子どもたちにわかりやすく伝えてくれる絵本。


意外に知らないクリスマスの起源

学校図書館に勤めていた頃、子どもたちに「クリスマスって何の日か知ってる?」と聞いてみると、「サンタが来る日!」「プレゼントをもらう日!」「ケーキを食べる日!」「パーティする日!」「ツリーを飾る日!」「サンタの誕生日!」。うれしそうな声がいっぱい返ってくる。(クリスマスってやっぱり楽しい!)

「ほかには?」と聞いてみるけれど、正解はなかなか出てこない。そんなとき、よく子どもたちと一緒に囲んだ本が、ディック・ブルーナの『クリスマスってなあに』だった。


あらすじ

むかしむかし、ベツレヘムの人たちがみんな眠った暗い夜のこと。起きているのは、羊の番をしている羊飼いたちだけ。暗い夜の空が明るくなって、羊飼いたちはびっくりしました。空には天使があらわれて、かみさまの子どもが生まれたことを教えてくれました。天使がいなくなると、羊飼いたちは羊の群れをつれ、星にみちびかれて小さな馬小屋にやってきました。馬小屋には、マリアに見守られ、1人のあかんぼうが眠っていました。このあかんぼうが、かみさまの子イエスだったのです。

それから毎年、イエスの誕生をお祝いするようになったのが、クリスマスのはじまりです。


おすすめポイント

ミッフィー(うさこちゃん)でおなじみ、ディック・ブルーナのシンプルな絵と言葉で描かれた絵本『クリスマスってなあに』。クリスマスのはじまりの物語を、小さい子どもたちにもやさしくわかりやすく伝えてくれる。

クリスマスやサンタについて楽しく知ることができる辞書的な本はたくさんあるものの、『クリスマスってなあに』は物語として伝えてくれるところがいい。

「かみさまの子が生まれた日」って一言でいうのは簡単だけど、子どもたちにそれを説明するのってなかなか難しい。子どもたちにとっては、起源をよく知らなくたって、うれしいことや楽しいことがたくさんあってそれだけで十分なのかもしれないけれど、せっかくのクリスマス。ぜひ子どもたちと一緒に読んでみてほしい絵本。

クリスマスプレゼントにぴったりの愛蔵版やしかけ絵本も出版されています。


本の情報

『クリスマスってなあに』

ディック=ブルーナ/作 ふなざきやすこ/訳 1982年 講談社 28p 16cm 読んでもらうなら4歳頃から 自分で読むなら小学校低学年頃から


通常版


しかけ絵本


愛蔵版




🌱サンタの絵本といえばコレ!『さむがりやのサンタ』

人間味あふれるサンタ

子どもの頃、とってもとっても不思議な存在だったサンタクロース。そんなサンタクロースに親近感を感じることができるのが、この絵本。ここに登場するサンタは、ちょっぴり寒いのが苦手だったり、面倒くさがりやだったり。とっても人間味にあふれている。「サンタの絵本といえばコレ!」と思うイチオシの1冊。


サンタの1日の物語

「やれやれ、またクリスマスか!」

南の島でのんびりしている夢の途中、サンタは目覚まし時計に起こされ、面倒くさそうにベッドから起き出しました。忙しいクリスマスの1日が始まります。

トナカイの世話をし、ベーコンと卵の朝食を食べると、身支度を整え、ソリにプレゼントをのせて、さぁ仕事に出発!

寒さや煙突に文句を言いながら、子どもたちにプレゼントを届けてまわります。

1日の仕事を終えて家に帰ると、あたたかいお風呂に、1杯のビールとごちそう。もちろんトナカイたちにもおいしい食事を忘れません。

サンタが1年で1番忙しい1日の、ベッドから起き上がってからベッドにもぐり込むまでのお話。

細かいところまで描写されたサンタの暮らす家の様子にも、楽しい発見がたくさんあります。表情や口調などから、サンタの人柄を見てとることもできます。

コマ割りの絵に、吹き出しのサンタのセリフで物語が進みます。

子どもの頃から大人になった今まで、「サンタといえばこの絵本!」と思うイチオシの1冊です。ぜひサンタの人間味にふれてみてくださいね。


本の情報

『さむがりやのサンタ』

レイモンド・ブリッグズ/作・絵 すがはらひろくに/訳 1974年 福音館書店 32p 26cm イギリスの絵本 読んであげるなら4歳頃から 自分で読むなら小学校低学年頃から ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品

ケイト・グリーナウェイ賞:イギリスで出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して1年に1度贈られる賞。1956年に英国図書館協会によって創設された。イギリスの挿絵画家ケイト・グリーナウェイ(1946〜1901)の名にちなんでいる。


あわせて読みたい!

『サンタのなつやすみ』




🌱『急行「北極号」』大人に贈りたいクリスマスの絵本

大人になって出会った絵本の中で、これほど即買いだった絵本は他にない。


汽車の絵本?いえ、クリスマスの絵本です!

表紙には、雪の夜にたたずむ重厚感のある汽車の絵が、落ち着いた色調で描かれている。タイトルは『急行「北極号」』。この表紙とタイトルを一見すると、クリスマスの絵本とは思えないかもしれない。それが実は、大人にこそオススメしたい、不思議で神秘的な魅力のあるクリスマス絵本なのだ。


あらすじ

クリスマス・イブの夜、僕は息をひそめてサンタのそりの鈴の音が聞こえてくるのを待っていた。ところが、聞こえてきたのは鈴の音ではなく、汽車の音だった。窓の外を見ると、なんと家の前に汽車が止まっている。僕は忍び足で家の外へ出て、汽車に駆け寄った。車掌に聞くと、北極点へ行くのだという。

汽車に乗り込むと、客車の中は楽しそうに過ごすパジャマ姿の子どもたちでいっぱだった。汽車は暗い森を抜け、山や谷を越え、いつのまにか北極点へ。

サンタや、サンタのお手伝いをするたくさんの小人たちが暮らす北極点は、とても大きな町で、クリスマスのおもちゃが全部作られているという工場がいっぱいある。

クリスマス・イブのその夜は、北極号でやってきた子どもたちの中から、サンタのプレゼント第1号をもらう子どもが選ばれるという。サンタは僕を指さして「この子に決めるとしよう」と言うと、僕をそりに乗せてくれた。でも、僕がいちばんほしいものは、サンタの大きな袋の中には入っていない。

物語のクライマックスはここから。ぜひ手にとって読んでみてほしい。


美しい絵画のような絵本

この絵本の作者は、「光の魔術師」といわれるオールズバーグ。

夜の暗闇をそっと照らし出す汽車のライト。降り積もる雪の明るさ。狼がうろつく森の静けさ。汽車の中で過ごす子どもたちの楽しそうな様子。町のあたたかみ。サンタのおだやかでやさしい顔。主人公「僕」の気持ち。物語の最終ページで神秘的な存在感を放つ鈴。

物語の要がすべて、「光」の具合で見事に表現されている。

全ページ見開きいっぱいに描かれた絵は、どれも美しく、キラキラとした賑やかな明るさはないが、落ち着いたあたたあいクリスマスを感じることができる。


大人にオススメの絵本

文章量は多めで、漢字が多く、ルビはない。村上春樹による日本語訳の文章は、大人を意識して書かれているように思う。

作者がこの絵本に込めたであろう思いや、読者に伝えたいであろうメッセージも、「かつて子どもだった大人たち」に向けたものではないだろうか。子どもの頃の自分、そして子どもの頃の気持ち。きっと読む人それぞれに、大切な何かをよみがえらせてくれる絵本であると思う。

クリスマスは、大人だって楽しみなもの。かつて子どもだった人たちに、ぜひ届けたいクリスマスの絵本。


本の情報

『急行「北極号」』

クリス・ヴァン・オールズバーグ/著 村上春樹/訳 2003年 あすなろ書房 32p 23cm 大人向け アメリカの絵本 コルでコット賞受賞作品 1987年に河出書房新社から出版されたものの改訳版

コルでコット賞:アメリカで出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して1年に1度贈られる賞。1937年にアメリカの図書館協会によって創設。19世紀イギリスの絵本画家ランドルフ・J・コルでコットの名にちなんでいる。




2024年11月1日

🌿子どもと楽しむ福山城


広島県第2の町、福山市。2022年に築城400年を迎え、リニューアルした福山城へ。歴史家の夫と、ただお出かけしたいだけの私と、小学生だった息子とで、行ってきた。


快適なお城

私にとってお城のイメージって...。エアコンがなくて、夏は暑いし冬は寒い。ハシゴのような急階段で、上り下りが大変。靴を脱いで上がるのがめんどう。そんな、大変なイメージ。

でもそれって昔のまま現存してるお城の話で、復元されたお城は中の設備がけっこう整ってる。とはいえ、どこのお城が現存で、どこのお城が復元なのか、そんなことは知らない私。行ってみるまで、暑いとか寒いとか急階段とか覚悟してるわけで。

福山城へ行ったのは、まだまだ残暑が厳しい季節。暑いことを覚悟して行ってみたら、なんとエアコンがきいていて涼しい!まずはそれだけで幸せ!靴のまま入城できて、靴を脱いだり履いたりする必要もなし!階段はちょっと急だけど、ハシゴじゃない!エレベーターまである!快適なお城!


まるでお城のテーマパーク

エントランス

入るとまず、部屋中に大きく写し出されるデジタル映像で、落語家の春風亭昇太さんが福山城の成り立ちみたいなものを解説してる。

それがなかなか見ごたえのある映像とわかりやすい解説で、私みたいに何も知らず訪れた人でも、城内を見て回る前に基礎知識を得られたのが良かった。

スタンプラリー

こんなスタンプラリーは初めて!台紙は入口でもらえた。

1階から6階まで各階にスタンプ台が設置されていて、1階から順に重ねてスタンプを押していくと、多色刷りの版画のような仕組みで、最上階で福山城が完成!うれしい!

一番槍レース体験

馬にまたがり、大坂夏の陣へ!いざ出陣!1番に敵陣へ槍を突き入れることができたら成功!(冬になったら大坂冬の陣に変わるのかなぁ?)

私たちが行ったときには、体験してるのは子どもばっかりだったけど、大人の私もチャレンジ!馬の動きがリアルで、ゲームとしても乗馬としても楽しめる!年齢に合わせたレベルがあるので、小さい子どもから楽しむことができる。

(注意:体験したい人は、ぜひスカートは避けて。そしてここでは靴を脱ぐ必要があります。)

火縄銃体験

火縄銃をかまえて、映像の中の的に向かって一発勝負の射撃体験!

重いけど「実物の半分の重さ」とのこと。36m先の的に命中させるのは、なかなか難しい。

当時の人の火縄銃の腕前のすごさがわかる。

城泊で城主気分

月見櫓の中は宿泊施設としてリニューアルされている。お城に泊まれるって、ちょっとワクワクしそう!


まとめ

お城のことをよく知らないままフラリと行っても「おもしろい!」 と思えたお城。

もちろん城内はアトラクションだけではない。基本「博物館」になっていて、紙の資料も立体の資料もたくさん展示されている。

お城好きの人からそうでもない人まで、子どもから大人まで、楽しめるお城だった。

城内がおもしろいだけでなく、外観もとてもキレイ。

行楽シーズン、ぜひ築城400年の時を経た福山城へ。